前回の記事では、『そのお葬式…葬儀社との契約じゃないかも?!知られざる3タイプの葬儀社を知ろう!』と題して、葬儀社にも種類があるということと、その葬儀社のメリット・デメリットなどについてご紹介致しました。

本記事では、それらタイプ別葬儀社の闇とも言うべき、価格事情や近年の歪(ひずみ)が出つつある葬儀社の内情についてご紹介していければと思います。


イオンのお葬式 小さなお葬式 みんなのお葬式
火葬式 198,000円 188,000円 170,000円(10名セット)
一日葬 348,000円(50名前後) 338,000円(制限無し) --
家族葬 498,000円(50名前後) 488,000円(制限無し) 440,000円(50名セット)

※2017年7月13日時点、ウェブサイトに開示されていた価格を掲載しております

いきなりではありますが、上記をご覧ください。
この表・・・そのお葬式…葬儀社との契約じゃないかも?!知られざる3タイプの葬儀社を知ろう!でもご説明した葬儀社タイプの1つ「仲介タイプ」の葬儀社がウェブサイトに掲出しているプランと価格情報を一覧表にしたものです。

近年はこれら「葬儀仲介サービス」を通して、葬儀社のうちの何割かは葬儀のお仕事を受注しています。

・・・つまり、上記の金額というのは消費者側(喪主)から見れば費用ですが、葬儀社側から見れば売上(売価)なのです。

さて、この金額の裏側で葬儀社の数々の苦悩が生まれていることはあまり知られていません。

葬儀仲介サービスを利用する葬儀社の苦悩

葬儀仲介サービスを利用する葬儀社の苦悩

葬儀仲介サービスによる
決まりごと
葬儀仲介サービスから
紹介を受ける葬儀社の苦悩
プランごとに提供サービスが固定 「ご遺体のお迎え先までの距離が○○㎞?!!さすがに、その距離ではプラン内では対応できない・・・」
「うちでは、それ別料金だけど?」
プランごとに人数が固定 「家族葬プランで参列者が100人?ホール設備、備品もそのプラン価格では提供・対応がちょっとできない・・・」
プランごとに金額が固定 「何かあったときのバッファ(余裕)がとれない!!」
「お客様から〇〇のリクエストを受けたけど料金内では対応できない・・・」

上記に、「葬儀仲介サービスによる決まりごと」とそれに対比する形で「葬儀仲介サービスから紹介を受ける葬儀社の苦悩」を表にしてみました。

嗚呼…列挙しただけで寒気が。。。

つまるところ、
『オッス!オラ葬儀仲介サービス。金額とそれにあわせた提供サービスを決めといたから、あとは宜しくな!(声:野沢雅子風に・・・)』
というわけです。え?よくわからない?w

端的に言ってしまえば、葬儀の現場感覚があまり考慮されない形で、

  • プランの金額
  • プランに内包するサービス

が葬儀仲介サービス主導で一律に決められてしまっており、『喪主を紹介して欲しいのであれば、これに従うべし』という塩梅になっているということです。つまり、価格ありきだからこそ、安価でもあるわけです。

ちなみに、葬儀仲介サービスを利用する葬儀社の方であればご存知の方がほとんどなのですが、小さなお葬式の一日葬と家族葬のFAQには、下記のような一文があります(2017年7月12日時点)。

Q 参列する人数に限度はありますか?人数が増えることによって料金は変わりますか?
A 特に制限はございません。しかし、ご案内させて頂く葬儀場・斎場の収容人数がプランによって異なりますので、各プランの収容人数より多くの方が来られた場合、会葬者の方々にご不便をお掛けする場合がございます。そういった事態にならないように、人数を調節することをおすすめいたします。

出典:『小さなお葬式 / 「一日葬」
出典:『小さなお葬式 / 「家族葬」

消費者からすると参列人数の無制限はメリットになる一方で、葬儀社からすると「どのくらいの人数になるのかわからない」と戦々恐々とするデメリットがあります。

葬儀仲介サービスの構造

インターネット等で表立って「葬儀」という商品を販売する仲介サービスがクローズアップされる一方で、葬儀の実務を執り行う葬儀社(上図②③)には、提供できるサービスもあれば、提供できないサービス・・・または別費用ではないと対応できないサービス・・・があるのです。

プラン名が一般化することの弊害

プラン名が一般化することの弊害

ちょっと話が脱線しますが、葬儀仲介サービスの活躍・・・というか、インターネット上での入り口としての役割・存在感により、葬儀仲介サービスが提示するプラン名が一般化してきつつあります。

  • 火葬式
  • 一日葬
  • 家族葬

などなど。

ブランディングとプロモーションの勝利であり、名称が浸透することは非常に喜ばしいことです。

一方で、弊社も含めて、葬儀社の多くはこれらプラン名を活用(オマージュ)させていただいているわけですが、自社独自のプランとして金額や提供サービスを設計・開示していると「プランの名前が仲介葬儀社とほぼおなじだから、どこの会社も同じようなサービスに違いない」と喪主に誤認されてしまうケースがあったりします。

その結果、「だったら、金額が安いところが良いに違いない」となってしまうわけでして、頭の痛い課題でもあります。

このあたりについては、自社ウェブサイトや対面・問い合わせ時の說明を明瞭にする必要があり、そのあたりは襟を正して今後も情報発信をしていかねば・・・という心持ちでゴザイマス。

有馬 陽介

金額が安くても、参列者1人あたりの単価に直すと、特段安くないという場合があります。もし、価格を重視される場合には、『【葬儀比較】千葉市・習志野市エリアの「家族葬」プランを比べてみた!』の記事で分析した情報をご紹介しておりますので、是非ご参考頂ければと思います。

葬儀費用の低価格化で消費者は喜ぶ!一方で葬儀社は・・・?

さて、横道に若干逸れてしまいましたが、葬儀仲介サービスを介して実務を担う葬儀社が受注した場合の「悩み」は概ねご理解いただけたのではないでしょうか。

では、もう少し踏み込んでみましょう。

「葬儀社が利益(儲け)を出すため」の売上、原価・・・このあたりの関係をご紹介したいと思います。

「葬儀仲介サービスを利用する葬儀社」と「葬儀仲介サービスを利用しない葬儀社」の利益の構造

ざくっとした内訳になりますが、葬儀会社のタイプ別・・・ここでは、「葬儀仲介サービスを利用する葬儀社」と「葬儀仲介サービスを利用しない葬儀社」を軸としたうえで、葬儀ホール(斎場)の有無で葬儀で売上をあげるための費用(原価)の内訳をまとめてみました。

上図をご覧いただくと明白ではありますが、費用に関する大きな違いは「仲介手数料」の有無です。

当たり前ですが・・・営業を葬儀仲介サービスに頼れば頼るほど葬儀社は「仲介手数料」に泣く

当たり前ですが・・・営業を葬儀仲介サービスに頼れば頼るほど葬儀社は「仲介手数料」に泣く

集客のための営業を葬儀仲介サービスに委託する分、「仲介手数料」の負担はやむを得ない必要経費ではあります。

しかしながら、この部分には一切手がつけられない(調整できない)というのは結構手痛いです。その分だけ、葬儀社にとっては利幅が減るわけですから。

ここまでお読みになった方の中には、「いやいや、いままで葬儀業界の費用は不明瞭だったんだから、これでも十分儲かるんでしょ?」と思った方も多いのではないでしょうか。

確かに、葬儀業界もIT化やコストの見直しによって、ある程度価格を勉強してのサービス提供は可能です。とはいえ、限界があるのも事実。

葬儀仲介サービスから受注した場合の収益上限

そしてなによりも辛いのが、仲介葬儀社が提示するプランごとに販売価格のキャップ(収益上限)が決まってしまっていることです。

「あれも」「それも」「これも」「参列人数は無制限で」・・・これは、なかなか利益が出せる気がしません^_^;

売価が変動できないとなると、葬儀社としての選択肢は「利益を出さない」か「利益を出すためにコストカットする」の2択。

コストカットは、

  • 人件費
  • 外注費

この2点の調整が常套手段です。

葬儀の進行はいかんせん「人」に依る部分が非常に大きいもの。
「人」の質が下がれば、提供するサービスの質も下がる・・・と、結果はいわずもがなではないでしょうか。

そんなこともあり、最近ではこんなクレームが散見されるようになりました。

葬儀仲介サービスを通して発生しているクレーム

葬儀仲介サービスを通して発生しているクレーム

1 葬儀業者が、昨年出した見積りではプランに含まれていた骨壷代を、料金改定後のプラン料金に上乗せした。
2 インターネットの宣伝をみて葬儀を依頼したが、ホームページに掲載されている内容と施行はことなり3倍以上の料金を請求された。また、葬儀の対応も非常に悪く後悔している。

出典:『葬儀業界の現状/全日本葬祭業協同組合連合会 平成29年4月28日

どのようなサービスやプランを利用したのかについては、明記されていませんが、これらクレームに見られるように、ここ最近感じているのは、葬儀仲介サービスが提示する固定プラン/サービスと、それに対応して紹介・仲介を受ける葬儀会社の間に歪(ひずみ)が生じているのではないか・・・ということ。

弊社も仲介業者を利用していたことがありますが、想定を超える大人数の参列を希望された喪主様をご紹介頂いたことがあり、その際は「しっかりとしたサービスの提供ができない」「提示されていた固定価格内では対応できない」ことから、お断りしたこともあります。

葬儀仲介サービスが前面にたって提供する固定プラン・固定サービスが人気である限り、今後上記のようなクレームは増えていくことは間違いないでしょう。

もちろん、葬儀社の中には、利益を削って最大の品質でサービスを提供してくれるところもあることは確かです。ただ、この「固定プラン・固定サービス」のビジネスモデル自体が「限界」を迎えているのでは?というのが正直な感想です。

代表取締役社長

高野 幸延

どの葬儀会社でも同様の思いではあると思いますが、葬儀費用、葬儀ホールの設備、祭壇等の備品、対応するスタッフ、これらを高品質、低価格でご提供させていただいて、ご葬儀が全て終わった後で喪主様が得られる満足感が、お手伝いする側私たち葬儀社の使命と言えます。

そして何より一番大切、大事な事は旅立つ故人様への思いやりだと思います。

こんな例がございます。

ご逝去された病院からご自宅へ搬送中、少し運行ルートとは外れますが、故人様が好きでよく通っていた公園があり、そこを通過して少し停車してもらえないだろうか?

お通夜でご来館した喪主様、ご遺族様が故人様の遺品を持参して、これを設置された祭壇へ飾ってもらい、残った僅かな遺品は棺へ納めてもらえないか?

想定外の参列者で料理が足りなくなったので、お寿司を追加注文してもらえないだろうか?

遺影を作り終わった後で、もっといい故人らしい写真が見つかったので作り直してもらえないか?また親族にも差し上げたいので、ハガキサイズ位の同じ遺影を10個作って欲しい。

挙げればキリはないですが、実際の葬儀現場(葬儀場)では、

・打ち合わせた内容とは想定外の事態が常に起こり得る点
・打ち合わせた通りにならない事

など、それらに可能な限り対応しなくては、ご遺族が満足するご葬儀は成し得ません。

定額で追加料金のかからない安いプランでまかなえない費用的側面や、金額では測れないプライスレスな部分。実際、葬儀ホールの場所、館内施設、広さ、駐車場のスペースなどを把握しておられない仲介業者様は、どういった内容で自社ホールを保有する葬儀社と会社の特徴、専任スタッフを喪主に説明しているのか疑問ではあります・・・。

とはいえ、喪主の方からすると「いやいや、そんな葬儀業界のことなんてしらないから!」といった声が聞こえてきそうです。

確かにおっしゃる通りなのですが、葬儀社のタイプや内情を知らずに「安いから」と葬儀を依頼してしまうと、ひょんなところで問題発生につながることがあるということは認識しておいたほうが良いかもしれません。

故人をお見送りする葬儀で「安かろう、悪かろう」では、故人も浮かばれません。

今後このようなケースは増えていくとは思いますが、自衛策として(というよりかは、良い葬儀屋さんと巡り合えるか)は少なくとも契約前に下記をご留意のうえ、ご確認いただくとより良い葬儀を執り行えるのではないかと思います。

  • 参列人数を明確にする
  • 喪主側の条件が、(仲介)葬儀業者がインターネットなどで提示している価格内で対応可能なのか確認する
  • ネット上の提示価格から足が出る場合には追加の見積もりをもらう
  • そもそも見積もりをもらう際には、細目を提示してもらう。「一括」となっている見積もりは、何をどこまで提供してもらえるものなのか不明なので非常に危険です。

また、葬儀仲介サービスを利用している葬儀会社は「仲介手数料」という費用がかかっていることを認識し、利益を出すために何らかの犠牲を強いている可能性がゼロではないことを理解しておくべきでしょう。

代表取締役社長

高野 幸延

葬儀サービスは、ホール設備や祭壇・備品など目に見える部分のサービスと、葬儀に対する知識や不安、葬儀費用やそれぞれが抱える家庭の事情などなど、それらを信頼して任せられる専任の担当者との信頼関係が成り立ってこそより良いご葬儀となります。

そういった目に見えない部分も含め、事前に葬儀社を訪ねてホールを見学したり、実際葬儀をお願いするスタッフ「人」の対応や姿勢、知識の豊富さを見ておくことをお勧め致します。
きっと各葬儀社の「カラー」が見れるのではないでしょうか。

そういった部分の不安を解消しつつ、細かい見積書を何社か取り、費用面でも安心でき、納得した上で葬儀社を選択すれば「良い葬儀社」に巡り会えることができるでしょう。

そんな意味からも弊社では事前のご相談、ホール見学を積極的に受け付けておりますし、専任の担当スタッフがご逝去先へのお迎え(寝台車)から葬儀の打合せ、施行、進行、集金までと一人のスタッフが最初から最後までお手伝いさせていただいております。



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