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コラム 堀江宏樹の葬儀文化史 presented by 雅倶楽部 2018年8月23日掲載

日本ではじめて霊柩車に乗ったのは誰? <お葬式の常識の変遷>

喪服が「黒」という常識は実は近年できあがったもの。現在は常識でも過去には非常識だったものが葬儀には数多くあります。葬式における常識の移り変わりと本記事ではご紹介いたします。

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故人の額につけられた、白い三角形の布・・・・・・そう聞けば、「御遺体につけるアレね」というように連想できる方はまだまだ多いと思います。

三角布というのがただしい名称のようですが、実際の葬儀で目にする機会は最近減っているかもしれませんがね。

実際にお棺の中で故人がまとう装束すら、いわゆる白い着物ではない場合も増えてきていますから。

葬列に参加する人もつけていた三角巾

ところが以前の日本では、例の白い三角布をつけるのは、故人だけではありませんでした。

かつての日本で葬儀のメインイベントといえば、葬列だったというお話し(『「告別式」って日本の伝統? 〜葬儀社の成立と告別式の誕生』)をしたと思います。葬列とは、お墓ないし焼き場まで、故人の入ったお棺を提げて練り歩く行列のことですね。

明治時代後半には都市部を中心に下火になっていった伝統なのですが、地方ではその後も長らく葬列の伝統がつづきました。

その際、三角布を額につけるのはお棺と位牌を捧げ持つ人たちも同じでした。白い三角布を額に印のようにして付けることで、自分たちが死者と同じ身内の者であると世間に知らしめるためでした。

自分たちに近付かないことで、死の淵に他人を連れ込まれないようにするエチケットだったともいわれます。死者にはあらたな死者を呼ぶという性質があると、本気で考えられていたからですね。

黒の喪服は非常識?!白があたりまえだった時代も

また当時、喪服の色は黒ではなく白でした。これもお棺の故人がまとっている経帷子が白であることに合わせているのです。

喪服の色=黒に変わっていくきっかけは明治42(1909)年11月4日の伊藤博文の葬儀だったといわれています。

伊藤博文は10月26日に中国のハルピン駅で暗殺されてしまっています。彼の葬儀は日比谷公園で国葬として執り行われることになっていました。

来賓には欧米系の外国人も多いと見込まれていたからでしょう、当時の欧米の喪服といえばすでに色は黒でしたので、日本人にも黒い燕尾服で来場するようにというお達しがなされていたのです。

ところが伝統的な白い喪服や紋付き袴姿で来場しようとした人々が多くおり、彼らは入場を断られてしまいました。

この事件が政府関係者には印象的だったのでしょうか。次第に都市部の上流階級の葬儀で燕尾服・・・・・・つまり黒地の高級礼服を喪服とする伝統がうまれ、それが少しずつ変質しながらも、庶民の間に広がっていったのです。

日本一円で「喪服といえば黒!」ということになったのは、昭和中期の高度経済成長期、1960年代のことでした。

庶民の場合は燕尾服ではなく黒地のジャケットが礼服とされるのが昨今ですが、ネクタイさえ取り替えればお葬式だけでなく、結婚式でも使えるため、エコ性が重視されたともいえるでしょう。

日本で最初に霊柩車に乗った大熊重信

さて、お葬式といえば霊柩車を目にする機会もいまだに多いと思います。日本で霊柩車に最初に乗った(とされる)人は誰か、ご存じでしょうか。

棺が家族や近縁者に担がれるのではなく、トラックで遺体が運ばれたのは、大正11(1922)年の大隈重信の葬儀が最初でした。

当時はまだ葬儀でお棺を運ぶ専用の車・霊柩車が発明されていたわけではないのですが、お棺を火葬場などに運ぶ際の葬列を組むことが時代遅れとされる中で、お棺を運ぶ専用の金色の屋根や装飾のついた特別な外見の車、「宮型霊柩車」が開発されるに到ります。

宮型霊柩車は、いにしえの時代、貴人のお棺を運ぶ輿のデザインを取りいれたものです。

事情をしらない外国人の方がたが「あのクールな車がほしい」と言い出したりすることもあるほど、日本のお葬式文化を代表する存在でした。

ただし昨今では宮型霊柩車があまりに「目立つ」のを嫌がるご家族が増えたこともあって、数自体は減少しているとのこと。

かわりにほとんど装飾のついていない、黒塗りのリムジンタイプの「洋型霊柩車」が増加しているそうです。

次代の伝統に何がなっていくか、意外にわからないのがお葬式をめぐる歴史の面白さなのです。

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